2009年11月27日

★Father And Son

★Father And Son




















僕は 子供の頃から親父が大キライだった



親父は 自己中心的で 自分の思ったとおりに



物事が進まない事を とても嫌った



僕の親父は中学校の教員で 



とても厳しくて よくぶん殴られたものだ



殴られる理由には 僕が悪いこともあれば



そうではない事もあった



棒で殴られたり 廊下に3~4時間ほど正坐させられたりした



二階にいた姉が 僕が殴られる音が



二階まで聞こえてきて ヒヤヒヤしたと言っていた



厳しい人だから 嫌いだったわけではない



自分勝手で 他人が傷つこうと関係なく



自分が常に正しいと思っている



僕は 親父をとても憎んだ



高校になるとロック好きの僕は 髪を伸ばし始めた



親父はそれが気に入らなくて



みっともないから髪を切れと よく文句を言った



床屋の前まで 引きずられて行ったこともある



絶対に嫌だと抵抗し 髪を切らせなかった



高三になると 友人達と一晩中酒を飲むことが多くなった



僕は 自分自身を不良だと思ったことはない



つっぱりとかでもなく 変な学ランも着なかったし



ケンカに明け暮れていた訳でもない



ただのロック小僧だったし



沖縄では 本土と違って酒を飲む事が



安易に不良というイメージにはつながらなかった



小さい頃から 祭りごとや行事で



泡盛が 身近なものだったせいもある



卒業してしまうと 本土や沖縄本島にみな散らばってしまい



友人達とは なかなか会えなくなってしまう



残り少ない時間を ともに過ごしたかった



その為 何度か朝帰りをした



朝 家に帰ると 親父が台所の椅子に腰掛け



腕組みをして 待っていて



「お前は いったい自分の将来をどう考えているんだ



お前のような奴が 親が死んだ後すぐに



家を売り飛ばして 金にかえるんだ!」



そう言って 僕を殴った



親父の言葉に 僕は我慢ならなかった



「今日 あんたが俺に言ったことは一生忘れないからな!」



僕は そう言って首にぶら下がっていたネックレスを



引きちぎって 親父に投げつけた



その後 僕は沖縄本島でしばらく暮らし



それから 横浜に来た



たまに 実家に帰る事があっても



親父と同じ屋根の下にいることに



息がつまりそうで 我慢できず



2~3日ほどですぐに帰ってしまった



何年かに一度会うぐらいが 



僕達の関係には丁度よかった



会う事があっても よそよそしく



まるで 他人同士のようで



親子の関係とは とても言えるものではなかった



三重県に住む姉が 電話で



「この前お父さんが泊まりに来たとき お酒飲みながら



ニヌファには厳しくしすぎたって言ってたよ」と言った



「酒の席での話だろ 俺にはどうでもいい事だよ」



僕は そう姉に答えた



琉美が生まれ 親父が琉美に会いに来た時



嫁は 親父と仲良くしゃべっていたのに



僕達は 相変わらず よそよそしかった



親父が琉美を抱き上げたり キスしたりした



初めて そんな風に接する親父の姿に



僕は 少々とまどった



僕が家にいた頃は 想像もできない姿だった



帰りがけ 玄関で親父が 靴を履く手を ふと止めると 



「お前の 子供が見れるなんて思わなかった



琉美が・・・琉美が 孫の中で一番かわいい」


そう ぽつりと言ってくれた



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Posted by ★ニヌファ at 15:09│Comments(2)★ 沖縄
∴ この記事へのコメント
私の親父も公務員です。
読んでいると、驚くほどニヌファさんと
同じ経験を私もしました。
そして、同じく私もTOKYOに住んでいます

そんな親父とは長らく一緒に住んでいませんが、昨年帰省した際に
親父の猫背を見て年を感じました。
筋肉も衰えて、昔の面影もありませんでした…が、
喧嘩したらヤツは相変わらずラオウだった(爆)
生きているうちに、仕事を大成させて「ちゃーやが」って
言ってやる!!的な心持ちで、私め生きてます
Posted by BLUEBLUE at 2009年11月28日 17:35
BLUEさん
うわーBLUEさんの所も 同じだったんですか
細かく言わなくても 子供の頃からの苦労が
分かち合えそうですね(笑)
一生分かりあえるかどうか疑問ですが
育ててもらった恩は感じています
自分が父親になった時 あんな風にはならないようにしよう 子供の心を平気で傷つける親には
ならないようにしようと思ったものです
今も たまに会うくらいが いい息子でいられます
Posted by ニヌファ at 2009年11月28日 21:52
 
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