2009年10月08日

★いちゃりば ちょーでー

★いちゃりば ちょーでー

















高校生の頃だ



夏休みに沖縄本島に遊びに行くのに



普段は 飛行機でいくのだが



大型フェリーで 沖縄本島まで行こうと計画した



飛行機だと 宮古島から30~40分で到着できるのだが



船で行く方が なんだか楽しそうに感じたのだ



高校の頃なので料金は覚えていないのだが



夜出発して 朝7時頃の到着だと記憶している



友人達とバイトして旅費をためた



本島には 親戚も多いので泊る場所の心配はない



友人達と待ち合わせ 船に乗船した



全員 テンションが上がりっぱなしだった



船のチケットは 一番安い奴だったので



広い畳の部屋に 全員でざこ寝だった



夏休みということもあり



船はけっこう混んでいた



もともと 僕は船には弱かったので



船室なんかいたら 確実に船酔いしてしまう



仲間とカップヌードルを買って



夜空を見ながら 甲板で食べた



それから船の中を探検したりして遊んでいたのだが



疲れて 眠くなってきた



船室に戻ったのだが 混み合っており



寝れる場所が無かった



仕方なく 廊下で寝ることにしたのだが



すでに何人もの人が 廊下で横になっていた



適当な場所を見つけて 横になり



ウトウトしかけた時だ



廊下のむこうから悲鳴が聞こえ



数人が 僕達の方へ逃げだしてきた



僕の近くに走って来た 観光客と思しき女性に



どうしたのかと 理由を尋ねてみると



廊下で寝ていたら 牛が自分の上を



またいでいったらしいのだ



観光客の人達が キャーキャー言いながら



大笑いで 逃げ出してきた



つながれていた場所から 廊下に逃げ出したらしいのだ



幸い 牛はおとなしかった



船員のおじさんが 「お騒がせして すいません」



そう言って 牛をつれ戻した



ひと段落して 横になったのだが



なにぶん廊下なので 人通りが多く



なかなか寝つけなかった



壁にもたれて ウトウトしていると



ベッドのある船室のにーさんが



「にぃにぃは寝たから あんたが寝なさい



廊下じゃ なかなか寝れんはずサー」と言って



ベッドを譲ってくれた



お礼をいって ベッドに2時間ほど横になると



その後 友人に声をかけ



今度は 友人がそのベッドで横になった



船酔いしないために 夜の甲板をブラブラしていると



どこかのグループが輪になって酒盛りで盛り上がっていた



近くを通るとグループの一人が声をかけて来た



「にぃにぃ一緒に飲もうよ! 一人はつまらんサー」



少し船酔いが始まっていた僕は



酔ってしまえば 船酔いも分からなくなると思い



グループに加わることにした



グループだと思われた20人ほどの人達は



実は 元々4人の沖縄人のグループが飲んでいたのだが



通る人 通る人に声を掛け



じょじょに膨れ上がって 大人数になったらしい



「大阪から来ましたー 〇△□で~す」やら



「兵庫から来ました 〇×△で~す 女子大生で~す」やら



お酒とともに 自己紹介が始まった



「ニヌファです 高校生で



ウチナンチューで~す」そう言って



僕は 回って来た泡盛を飲みほした



「高校生 酒飲んだらあかんのちゃうの~?」と



一人が ひやかしで声をかけてきた



沖縄人の一人が立ち上がると もって回った言い方で



「え~ 沖縄では中学生からの飲酒が



法律で義務化されています!」と言った



全員大爆笑しながら酒を飲んだ



まったく面識もない人達が



旅の船上で 降るような星空の下



酒を酌み交わしながら 親交を深める



何の打算も無く お互いを尊重しあいながらも



見知らぬ同士が互いの肩を抱き 笑いながら語り合う



まさに 旅の醍醐味にも感じられるとともに



「いちゃりば 兄弟(ちょーでー)」という



沖縄の古いことわざを 僕は思い出した



「一度出会えば みな兄弟のようなもの



仲良くつきあいなさい」という意味だ



その後 友人達も合流して 朝まで飲み会は続いた



船酔いも どこかへすっ飛んでいた



夜が明けて 港が見え始めた頃



飲み会はお開きになった



「楽しかったわー またどこかで会おなー



沖縄サイコーやで!」



「ホントに楽しい思い出ができました ありがとうございます」



「みんなと別れるのが 悲しいなー」



みなで口々に別れをおしんだ



最後に 中心だった4人の沖縄人のにぃにぃ達と



握手をして別れた



荷物をまとめながら 船を降りると



船酔いなのか それとも酒に酔っているのか



足元がフラついた



船酔いは 克服できそうにもないが



船の旅も 悪くはないものだと



ターミナルに向かいながら 僕は思った



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Posted by ★ニヌファ at 11:21│Comments(2)★ 沖縄
∴ この記事へのコメント
対馬丸の話か?と、思いました(笑)

「人類皆ブラザー」
ココ(東京)に居ると、オキナワンスピリッツの大切さが
身にしみます。

そーだぁ、沖縄人と言えば
昨日の台風上陸をアテにして『会社が休みになるだろー』と
思い込み、前夜深酒したら・・・

見事に中途半端な天気で、出社となりました(爆)
も〜、どんだけ〜
Posted by BLUEBLUE at 2009年10月09日 06:12
BLUEさん 
台風で電車は止まらなかったんですか?
期待を裏切る 台風だったんですね(笑)

沖縄人 さすがに人懐っこいといううか
人を呼びますよね!
そういう所が 沖縄人のいいところなんですけどね
Posted by ニヌファ at 2009年10月10日 11:43
 
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