★ニヌファへの手紙
7月18日はニヌファの5歳の誕生日だった
ニヌファの好きなお肉にロウソクを立てて
みんなで誕生日を祝った
きっとあっという間に食べたんだろうな
お前がいなくなって色々変わった
もうあの家も出たんだよ
あそこはニヌファの思い出が
とてもつまった家だったから
ママは泣いていたんだ
りみも保育園に行き始めたんだよ
こないだは行きたくないとすごく泣いたんだよ
でもりみは大丈夫
お前に似て頑張り屋だから
この間りみがこんなことを言っていたよ
「りーちゃんは赤ちゃんの時
おにーちゃんと一緒にママのお腹の中にいたの」
本当の兄弟のつもりなんだね
お腹が大きかったママに
ニヌファが添い寝してたからかな
おにーちゃんは犬なのにね(笑)
あたり前の日常だけど
そこはお前のいない
あたり前じゃない日常
それでも日々は流れていく
公園を歩く僕の足に優しくふれた草は
ニヌファ お前かい
ほほをふわりとなでていった風は
ニヌファ お前かい
ぽつぽつと僕の肩をたたき続けたあの雨は
ニヌファ お前かい
この街のどこかにいるんじゃないかと
お前の姿を探してしまうんだ
あぁ お化けでも何でもいい
もう一度お前を抱きしめることができたらな
たくさん謝りたいことがある
そして お前の事をどんなに大切に思っているか
伝える事ができるのにな
分かっているんだ
もう二度と会うことはできないってこと
分かっているんだ
もう二度とお前を抱きしめる事は出来ないって
それでも 思わずにはいられない
お前の事を・・・
どこかに行ったり 楽しい事があるたびに
ママが言うんだ
「ニーちゃんがいてくれたらな・・・」と
お前が去ってしまった時
僕たちの心の一部も持って行ってしまった
だから僕たちの心は穴があいたまんまだ
それは永遠に埋めることの出来ない穴だ
たとえこの世界でもう会えないとしても
こう言わせておくれ
ニヌファ また会おう
そして 5歳の誕生日おめでとう
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