★チャーハンの味
娘が2歳くらいだった頃
僕は当時働いていた仕事を辞め
次の仕事を探して求職中だった
嫁も子育ての為辞めていた仕事を
また探し始めた頃だった
夫婦無職なので節約をしなければいけなかった
同じアパートに住む仲の良い夫婦の旦那さんが
お米の流通センターに働いていたので
安くお米が買えるのかたずねてみた
「お米っスか いいっスよ
今持ってきますよ 待っててください」そう言って
袋に入った30㌔のお米を持ってきてくれた
いつでも米は手に入るから
お金はいいから無くなったら
いつでも声をかけてくれと言ってくれた
お米がいっぱいあるならと
何種類ものチャーハンの素を購入し
チャーハンをよく食べた
もらっといて言うのもなんだが
かなりまずい米だった(笑)
チャーハンなら味付けでなんとかなるし
味も色々変わるのでうってつけだった
暑い夏の日だった 汗をかき
はふはふ言いながら
家族三人でチャーハンを食べた
仕事も決まっていなくて
この先の生活を考えると不安だらけだった
娘がチャーハンを食べながら
「おいしいね」と笑顔で言った
僕も嫁も笑顔になった
不安で暗い気持ちだった心に
暖かな日差しが差し込んだようだった
よし 頑張るぞという気持ちになった
その後僕たちは仕事に就くことが出来た
「うちは家族三人元気で仲良くて幸せだね」と
嫁がよく僕に言う事がある
どの夫婦にもいえるだろうが
僕と嫁の道のりも色々あった
娘が生まれ二人だけではなくなり
家族の大切さを知った
そして家族の絆を感じている
笑う時も、泣く時も一緒だ
そしてまずいチャーハンを食べる時も(笑)
家族みんなで食べれば笑顔になれるのだ
きっと…
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