★無限の可能性

★ニヌファ

2012年02月11日 21:02


























先日 娘の保育園で発表会があった


娘の通う保育園はヨコミネ式と呼ばれる教育方針で


市内でも片手で数えるしか


それを行っている保育園はない


偶然入った保育園がたまたま


ヨコミネ式だったのだが


子供の可能性を伸ばそうという


まあ平たく言うとそんな感じなのだが(笑)


会場には朝早くからたくさんの親たちが


いい席を求めて並んでいた


僕たちは会場の真ん中の席を確保した


開会式は園長先生の挨拶で始まった


「昨日 園児たちの予行演習を見たんですが・・・」


園長先生が涙ぐんだ


「私は 閉会式は挨拶はしません


多分 泣いてしまって話ができないからです」


以外だった 園長先生の最初の印象は


無愛想なじーさんだったからだ


その発表会はすばらしいものだった


自分の娘が出ている場面はもちろん


彼女の成長と一生懸命さに感動したが


特に5歳児達の舞台は素晴らしかった


今年で保育園を卒園するその子達の


集大成とも言うべきその体操のレベルの高さに


会場が驚きの声に包まれた


大人用の跳び箱10段をみんなが飛び


何段まで飛べるかの挑戦では


14段まで飛べる子も何人かいた


彼らの身長よりもはるかに高い高さだ


14段に挑戦した子が跳び箱の上で


両足を広げ両手で自分の体を支えた状態で


前にも後ろにも動けずピタリと止まってしまった


その子は足を跳び箱に一度もつけることなく


両手だけで体を支えたまま跳び箱の上で


逆立ちをしてみせたのだ


会場は大声援に包まれた


5歳児のみんながブリッジから逆立ちをしたり


逆立ち歩きは当たり前


圧巻は10段ほどの跳び箱の上で


走ってきた一人がそのままジャンプして


飛び箱の端に頭をつけたまま


逆立ちして ピタリと止まった


するともう一人がまた走ってきてジャンプして


跳び箱の真ん中で同じく逆立ちをした


そして最後の一人が走ってきて


跳び箱の端に逆立ちをした


跳び箱の上で3人が逆立ちした状態で


ピタリと止まっているのだ


彼らは5歳児でここは体育系の学校でもない


ただの保育園で しかも彼らは強制でなく


自分たちの意思でそれを行っている


僕はよこみね式を特別PRする気はないが


娘を保育園に迎えに行った時


逆立ちの練習をしていて


「パパが迎えに来たからもうおしまいね」と


先生が声をかけたのに


「もう一回やります」と娘が答え


何度も何度も逆立ちの練習をしていた


4歳の彼女のその姿に


僕は胸がいっぱいになり


先生と一緒に「がんばれー!


もうちょいだぞー!」と声を上げた


帰り道娘が「パパ りみちゃんくやしい・・」と


出来なかった事をくやしがり


家で何度も練習していた


娘が保育園に入ったのは3歳になってからだ


他の子に比べかなりの差があると思う


それを彼女は落ち込みもせず


一生懸命取り戻そうとしている


僕達大人は子供に大事なことを


教えようとするくせに


僕達自身が大事なことを忘れてしまっている


それを僕たちは子供たちから逆に教わる


体操の前と後に「エイッ!」「ヤーッ!」と


大きな掛け声で両手を空に伸ばして叫ぶ


子供たちの一途さ 一生懸命さ


失敗しても「がんばれー!」と


我が子でなくても会場から声が飛ぶ


もう自分の子供かどうかなんて関係ない


そんな気持ちになってしまうのだ


今の時代はおかしなものだ


一生懸命に頑張る事をカッコ悪いと思う


そんなおかしな風潮がある


でもそれはまったく違う


この発表会で見せる子供たちの


真剣さ 頑張り 一生懸命さ


飛び箱を失敗した時に悔しがって泣く子や


失敗しても何度でも挑戦する姿


僕は娘や他の子の一生懸命さに


心を打たれ感動した


カーペンターズの「Sing」を


ドレミで歌う子供たちの


ピュアで美しい歌声に


僕は涙を止めることができなかった


園児たちのバレエ音楽の


「ボレロ」の演奏もまた素晴らしかった


自分の子供関係なく会場で


感動で泣いている親たちが多かった


僕は子供が好きな方ではなかった


でも娘の通う保育園の子たちは


まっすぐな子たちが多く


僕が娘を迎えに行っても


「りみちゃんのパパこれ見て


りみちゃんのパパこれ買ってもらったの・・」


あげく僕の手を握ったり抱きついてくる子が多く


とてもかわいい子供達だ


5歳児の演目も最後になり


一人一人が自分の得意な逆立ちや


片手だけでの前転などを行い


最後にマイクの前で自分の名前と


保育園で一番楽しかった思い出を話していた


「○○○です 保育園で一番楽しかったことは


キャンプで焼きそばを作った・・・」


話しながらその子が両手で顔を


覆って泣き出してしまった


恥ずかしながら発表会のラストあたりでは


僕も嫁もぼろ泣きだった


5歳児全員が先生たちと一緒に舞台に並んで


「お父さん お母さん 


おじーちゃん おばーちゃん


見に来てくれてありがとう」と言った


先生たちは号泣していた


最後に先生が閉会の挨拶をしたのだが


その女性の先生はマイクを握ったまま号泣しており 


しばらく話す事が出来なかった


会場の外に出た僕に園長先生が声をかけてきた


「ニヌファさん りみちゃんは初めての


発表会でしたがいかがでしたか?」


「感動しました もうぼろ泣きです」と答えると


「ニヌファさん 子供は天才です 


子供達の可能性は無限ですから」と


園長先生が笑顔で言った


この発表会を見るまでは


その言葉を聞いたとしても


教育方針の一つの言葉としか


僕はとらなかったと思う


だが 子供たちの素晴らしい


発表会を見た後 僕たちも確信した


彼らの可能性の素晴らしさを


園長先生の顔を見ながら


僕は深くうなずいた












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