★誕生日と幽霊

★ニヌファ

2009年11月16日 10:19





















先日 友人の誕生日だった



この年齢になると 誕生ケーキに年齢の数だけ



ケーキにローソクを立てると



ケーキがキャンプファイヤーみたいになって燃え上がり 



危うくボヤ騒動になるところだったと



もはや誕生日ではなく 何かの儀式のようだったと



神妙な声で話していた



誕生日プレゼントに木刀をもらうという 二次災害もあり



「誕生日っていったい何?」と自問自答し



自分探しの旅にインドでも行こうかと



考えている今日この頃らしい



僕のこれまでの誕生日の中で



もっとも最悪なプレゼントは



高校の時に友人がくれた山下達郎のカセットテープだった



カセットテープの中身は その友人が歌う



山下達郎のメドレーだった



何が悲しくてカセットテープで友人の歌う



山下達郎メドレーのオンステージを



自宅のステレオで聞かなければいけないのだろうか?



僕はその友人に何かしたのかと悩んだほどだ



誕生日とは本来ハッピーなものではなかったろうか?



なぜアンハッピーな思いをしなければいけないのだろう



その呪われたテープは違う友人の家に遊びに行った時



彼の何十本かあるカセットテープの中に紛れさせて



こっそり帰って来た



いつかその友人が 知らずにそのテープを



家のステレオで流すのを想像した時はハッピーだったが・・・



そう言えばカセットテープってノーマルとかハイポジとか



一番上がメタルテープなんてのもあった



たいした違いはないと思うのだが



メタルテープは少しズッシリしていて



何か高級感が漂っていた 懐かしい・・・



もはや死語の領域なのだろう



ちなみに例の呪われたテープはハイポジだった



ランク的にもかなり中途半端だった・・・



もう あんな誕生日は二度とごめんだ



中学生の頃 スケボーが流行った



スケボーの板も今と違ってクリアーな



プラスティックの赤とか青とか派手な奴だった



自宅近くに某公園があって そこの坂がかなりヤバかった



沖縄の太陽が暑すぎたせいか 



もしくは ちんすこうの食べ過ぎからか



ある日 そのヤバい坂にチャレンジしようと思ってしまった



スケボー片手に坂の頂上に立つと



「俺の生きザマ見とけやー!」と



叫んだかどうかは定かではないが



スケボーに飛び乗り その坂を滑り降りたのだが



突然 一台の車が猛スピードで坂を上って来たのだ



14年の人生が 走馬灯のように頭の中を流れていった



そういう時は 周りがすべてスローモーションに見えるものだ



近づいてくる車のフロントガラスからは



僕に気付き 預金通帳を落としたオバちゃんみたいな



アンビリーバブル顔のドライバーが見えた



驚きのあまり 彼はハンドルを握ったまま



心肺停止状態だったのではないだろうか?



すんでの所で僕は スケボーを飛び降りて



そのままの勢いで 林の中に転がりこんだ



スケボーはその車の真下を通りぬけ



縁石にぶつかり 止まっていた



心配停止顔のドライバーの車もそのまま



猛スピードで走り去っていった



多分 彼は坂の途中で幽霊がスケボーで現れ



車を通り抜けていったと思った事だろう



それからその坂でスケボーに乗った



幽霊を見たという話しを



聞いたり 聞かなかったり



話したり 話さなかったりしている



ところで 誕生日にもらった最悪のプレゼントって何?

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