2014年07月07日
★防波堤の上

以前「別れ」という記事で
僕が妹のように思っている
大島(仮名)さんの事を書いたのだが
その大島さんがついに入籍したとの
嬉しいニュースが飛び込んできた
入籍したばかりだと言うのに
僕は彼女が赤ちゃんを抱いている姿を
早く見てみたいと思っている
まるで彼女のおじいちゃんの発想だが
彼女ならきっと素敵な母親に
なれると信じているし
なにより彼女にも家族を持つ喜びを
知ってもらいたいのだ
彼女の嬉しい報告からしばらくして
僕の会社の同僚の母親が
癌で入退院を繰り返していたのだが
先日家で倒れ、病院で検査した結果
余命1週間という結果が出たと
彼女がラインで知らせてきた
しばらく会社を休み母親に付き添いたいと
そんな内容のメールだった
なんと言葉をかけていいのか分からなかった
彼女が戻ってくるのをみんなで待っていると
その程度の言葉しか言えなかった
結婚と死という二つの出来事が
ほぼ同時に飛び込んできた
僕は何か達観した意見を持っている訳でもない
ただの平凡な男の一人だ
一日を悔いなく生きようとか
そういう意見を言う気もない
それはとても難しい事だからだ
ただ大切な人や家族と過ごす日々の
その瞬間瞬間があたりまえでなく
特別で素晴らしい時間だと思っている
何か特別な一日やドラマティックな日でなくとも
十分に素晴らしい一日だ
なぜなら自分の大切な人、大切な家族と
共にいられるという事は本当に幸せな事だからだ
子供の頃、オジーの畑に遊びに行った帰り道
オジーの馬車の荷台から見た
夕暮れの美しい畑道の光景
防波堤の上に腰かけ遠くの船を眺めながら
未来の自分に思いをはせた日
夕暮れの鐘が聞こえる帰り道
どこかの家から聞こえてきた
ラジオから流れる島唄の音色
親父に叱られた後に
姉とおつかいの帰り道
泣き出してしまった夜の公園
子供の頃の忘れられぬ記憶や景色
嫁と結婚し笑ったりケンカしたりしながらも
色々な出来事を共に乗り越えてきた
娘が誕生し家族が出来た日
闘病中の愛犬ニヌファの死で
悲しみに暮れた日々
嬉しい記憶も悲しい記憶も
全てが愛おしくて大切な記憶だ
無我夢中で過ごしていた時もあれば
ただ過ぎていった日々もある
家族が出来て感じるようになった
家族と過ごすあたり前の日々が
当たり前ではないという事を
共に喜び共に悲しんでくれる
そんな家族と過ごす日が
特別でない日などありはしない
子供の頃、防波堤から見ていた僕の未来は
家族の中にこそあるのだと
今ならハッキリと分かる
Posted by ★ニヌファ at 21:50│Comments(0)
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