2011年11月09日
★フリーマーケット

「よかったら袖をとおしてみてください」
ハットにサングラスをかけネイビーのジャケットに
グレーのパーカーを着た男性が笑顔で声をかけてきた
休日に僕はフリーマーケットに出かけていた
かなり大きなフリーマーケットで十分見ごたえがあった
出店している人によってさまざまだが
おしゃれな人が出しているブースには
おしゃれなものが多かったが
値段が高くなんだか手に取りづかった
子供のオモチャなどを出しているブースは
安くてついつい何個も買ってしまいそうになる
僕が目を止めたブースはおしゃれな
お兄さんの出店しているブースだった
シャツやズボンが並べてある中で
茶色の革ジャンに目が止まってしまった
かなり着こなした感のあるユーズド具合で魅力的だった
「見せてもらっていいですか?」
そう僕が尋ねると本に目をやっていた顔をあげ
「どうぞ よかったら
袖を通してみてください」と笑顔で言った
僕は体を鍛えていたことがあるので
胸や腕 肩幅が普通の人よりある
胸や肩幅に合わせて服を選ぶと
バカみたいに袖や丈が長くなってしまう
デザインが好きでもあまり着れるサイズがないのだ
袖を通してみるとぴったりだった
嫁が「パパ いいじゃん
なかなかサイズが合う物ないもんね」と言った
かなりカッコいいが 問題は値段だ
なんか高そうな感じがする
皮ジャンは古着屋でもピンきりだが
僕が着ていた皮ジャンのデザインで
無名のブランドでも10000円くらいだろう
「70年代の革ジャンなんでいい皮を使っているんですよ」
とそのお兄さんは言った
70年代のいい皮を使っている皮ジャンって
いったいいくらになるんだ?
確かに着てみるといい皮と
言われた意味が分かるさわり心地だ
恐る恐る値段を聞いてみた
「5000円でいいですよ」と答えてくれた
「えっ!5000円でいいんですか?」と僕が答える前に
「もっと 安くなりませんかね?」と
嫁さんが間髪を入れず 満面の笑顔と
女性特有の図々しさでたずねた
「う~ん・・・4000円でどうでしょうか?」
お兄さんが答えた
さらに嫁が「もう一声!」と言った
「わかりました 負けました3000円でいいです」と
お兄さんが苦笑いで答えた
僕は呆然としていた
5000円でもかなり安かったからだ
「なんか すいません・・・」と僕が言うと
「いえいえ すごく似合っていたんで
本当に似合っている人に着てもらいたかったから
いいんですよ」と笑顔で答えてくれた
そして僕に皮ジャンを渡すと
「フリーマーケット 楽しんでってください」と言った
皮ジャンを安く買えたことはうれしいことだが
本当に気に入ったものを良い人から買えたこと
それが一番うれしいことだ
僕は物や服におかしなこだわりはないのだが
古着やアンティークなもので
自分が気に入って購入したものは
買った場所や人 巡り会えた事
そして僕に出会うまで壊れずにいてくれたこと
そういう事を思うとなおさら大事に思う
愛着がわくと言った方がいいだろうか
その辺のショップで購入した物は
悪く言えば ただ買っただけだが
そういう風に出会えて購入した物は
それを使っていた人や着ていた人の
歴史というか 過ごしてきた年月
そういうものを感じるから温かみというか
ただの服や物ではなくなっているような
そんな気がするのだ
それを購入したときのシチュエーションや
売ってくれた人が良い人だった場合
その人の気持ちもひっくるめて購入したのだと思う
ただのラッキーだけでは済ましたくないのだ
その後フリーマーケットでは嫁さんや
娘の物を色々と購入して楽しんだ
家に持ち帰った皮ジャンを手入れしながら
ふと僕が購入した皮ジャンをネットで検索してみた
確かに70年代の皮ジャンだった
そして同じタイプの革ジャンが
チャックも壊れ裏地も破れた状態で
20000円で販売していた
やっぱりフリーマーケットは最高だ
ピース!(笑)
Posted by ★ニヌファ at 22:28│Comments(0)
│★日々の雑談